エバンス症候群のトイプードル(9歳オス)
動物情報
トイプードル 9歳 オス
症状・来院理由
元気さや食欲には変化はないが、腹部に紫斑ができ、便が黒くなった。
診療内容
- 血液検査(CBC、生化学一般、凝固系)
- ステロイド治療
- 全血輸血
- ヒト免疫グロブリン投与
- シクロスポリン(免疫抑制剤)経口投与
病状
エバンス症候群(免疫介在性血小板減少症と免疫介在性溶血性貧血の併発)
採血後止血困難
生化学検査に著変は認められなかったものの、血小板が消失していた。
再現性も認められたため、追加検査として凝固系検査を実施するも、異常は認められなかった。
第5病日には貧血も認められ、可視粘膜は蒼白になっていた。
ステロイド治療に反応が観られず元気・食欲も消失したため、全血輸血とヒト免疫グロブリンの投与を実施した。
ステロイドに反応しなかったため、シクロスポリン(免疫抑制剤)の経口投与に切り替え、緩徐に食欲が増加していった。
それに伴い血小板数と貧血も改善していき、発症から約4ヶ月で寛解を迎えたとして投薬を全て打ち切った。