岡山市北区の動物病院「つだか動物診療所」

症例紹介

爪床悪性メラノーマ

動物情報

ミニチュアシュナウザー 8歳 メス

症状・来院理由

「しばらく前から前足の爪が折れて痛そう。」との稟告で来院。

診療内容

  • レントゲン
  • 抗生剤と消炎鎮痛剤の投与(→改善がみられず)
  • 断指手術

病名

爪床悪性メラノーマ

 

  

 

「しばらく前から前足の爪が折れて痛そう。」との稟告で来院。

診察すると右側前肢の第4指の爪が折れて、指先が腫脹しています。

レントゲンで骨の状態を確認すると、末節骨(指先の骨)が溶解して消失しています。

通常爪が折れただけであれば、骨が溶けることは通常ありません。

悪性腫瘍の可能性が考えられました。

抗生剤と消炎鎮痛剤の投与で改善されなかったことから、飼い主様は断指手術をご決断されました。

術前に肺転移がないことをレントゲンで確認し、右側第4指を中手指節関節で断指しました。

病理検査の結果は、爪床悪性メラノーマでした。

爪床とは爪が乗っかっている部位を指します。

50%の確率で転移を起こすとの報告もある悪性腫瘍で、腫瘍細胞は末節骨を破壊しながら浸潤性に増殖していたとのことです。

マージン(−)、腫瘍細胞の脈管内浸潤像は認められなかったということで一安心ですが、今後も再発や転移について厳重な経過観察が必要です。

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