取り出しました!|岡山市北区の動物病院「つだか動物診療所」

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M.ダックス(1歳11ヶ月 避妊メス)が、ビニール手袋を一双飲み込んだとのことで近医を受診されました。

その病院で催吐処置を施したとのことですが、目当ての手袋は勿論、与えたフードも出なかったとか??

(飼い主さんはその処置の様子をご覧になっておりません。)

結局「後刻排出することもあるので、このまま様子を見ましょう。」と言われ、不安になった飼い主さんが弊院を受診されたのでした。

 

飼い主さんも犬がビニール手袋を食べた瞬間を見たたわけではなく、口にくわえている姿と、その後飼い主さんが家中をその手袋を探しても無いことから、犬が食べたのではないかと推測されたようです。

レントゲンを撮ってみると、フードとは別のシワシワの物体が確認できました。

これがビニール手袋なのでしょうか?

近医で催吐処置を施して、吐き出し易くするために与えたフードも出なかったということでしたが、当院ではしっかりフードは吐き出してくれました。

問題の手袋は吐物の中には見つからず、もう一度レントゲンで確認したところ、あのシワシワの物体だけが胃の中に確認できました。

 

やはり、これがビニール手袋なのでしょうか。

胃の中が綺麗になったところで、内視鏡を入れてみました。

噴門(胃の入り口)近くに手袋らしき物体が観察できたので、それを摘まんで出してみると、飼い主さんが探していたビニール手袋1双でした!

 

内視鏡を用いて異物を摘出できた場合、開腹手術と比べ動物への侵襲がほとんどありません。

開腹手術の場合、体にメスを入れる訳ですから、痛みや後遺症の心配をしなければなりませんし、化膿止めなどの投薬も必要になります。

その点、内視鏡であれば異物を摘出できれば終わりなので、入院の必要もなく日帰りで処置を受けられます。

本症例も処置後、麻酔からの覚醒を待って帰宅されました。

 

内視鏡を導入して、3、4年になりますが、これほど内視鏡のありがたみを感じられたのは初めてでした。

無事に摘出できて良かった(^^)

飼い主さんも、たいそうお喜びでした。

放置していて、万が一状態が悪くなったらと考えるとゾッとします。

犬も人もこれで安心して眠れるってもんです。

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