イクラの胆嚢切除
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弊院のアイドル、トイプードルのイクラを手術しました。
3年前に左側橈尺骨骨折、2年前は口腔内のクリーニングと抜歯、歯肉の縫合をしましたが、さて今年は何の手術だったのでしょうか。
以前からトリミングで出る犬の毛や爪を食べるという気持ち悪い悪癖があります。
そういう物を食べた後に腹痛を起こすのか食欲が落ち、軟便となっていました。
また、動物病院で飼育している犬としては失格ですが、口腔衛生とはほぼ無縁で、口の中はひどい状態となっています。
以上のような生活をしている犬でよく観られる胆嚢粘液嚢腫を、御多分に洩れずイクラも発症し、この度胆嚢を切除しました。
術後しばらくはいつもの元気がありませんでしたが、今は以前と変わらず元気に遊び回っております。
胆嚢粘液嚢腫は放置しておくと胆汁排泄が困難となり、消化機能が低下します。
また痛みが出るようになり、最悪の場合胆嚢が破裂することもある怖い病気です。
その為この病気を診断した場合は、速やかな外科的処置(胆嚢切除)をお勧めしています。
さてイクラですが、早期の処置ではありませんでしたが、大事に至る前に胆嚢を切除できました。
切除した胆嚢を切開すると、胆汁と粘液がゼリー状に固まっており、小さな胆石も多数混在しておりました。
動物は自分の状態を訴えることができませんから 、胆石などがある場合は尚更痛みが強く出ますので、イクラも痛みを我慢していたのだろうと思います。
術後はフードの食べ残しが少なくなり、糞便の状態が悪くなることがほとんど無くなりました。
トリミングモデル犬として、元気に長生きしてくれたらと思います。