「何食べたの?」犬ちゃんの誤食|岡山市北区の動物病院「つだか動物診療所」

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「何食べたの?」犬ちゃんの誤食

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100円ライターを噛み砕いて食べたという生後4ヶ月のフレンチブルドッグが来院しました。

レントゲンを撮像してみると、長さ約13 mmの針状金属が観られました。

来院前に何度か嘔吐し、ライターの部品らしき物がいくつか出たとのことでしたが、ライターにこのような部品は使用されていないような気がしました。

位置的には胃の出口(幽門)から十二指腸あたりでしょうか。

異物の先端は尖っているので消化管を傷つける可能性がある為、午後の診療終了後に急遽内視鏡で取り出そうと試みました。

胃邸には何もありませんでしたが、幽門から何やら黒いモノが顔を出しています。

これはライターの部品ではなさそうですが、レントゲンで観られた先端が尖った金属のようなものはありませんでした。

この黒い物体は幽門から十二指腸にかけて存在するようで、びくともしません。

ということにならば内視鏡は諦めて、すぐに開腹して異物を取り出すしかありません。

果たして、幽門から十二指腸にかけて何やら硬いものが胃腸壁越しに触れます。

この物体は長さが2~3 cm位ありそうで、硬いもののようです。

胃切開をして取り出してみると、フック付きの画鋲の一種で、ライター同様にこれも誤食してしまったのでしょう。

内視鏡で観えていたのは、これの端だったのです。

丸呑みしたために写真のような形状が災いして、幽門部と十二指腸に入ってすぐのカーブに引っ掛かって、動けなくなったようです。

先が尖った金属も消化管を傷つける可能性があり、放置していたら危険な状態だと思われました。

 

今回はライターを噛み砕いたことで来院され、レントゲン検査を実施して偶然にも症状が現れる前に画鋲の存在を知ることとなり、早期に対処することができて本当に良かったと思います。

動物は飼い主様の知らないうちに、色んなものを誤食しているのだと再認識した症例でした。

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